小売り表示で牛肉には11の部位があります。
■ネック
首の部位で「かたロース」に続いています。よく運動をする部分で、
きめはあらく、肉質はかため。豊富なエキス分、ゼラチン質を持っています。
■かたロース
ロース部位の「かた」に当たる部分で、後ろの「リブロース」「サーロイン」に続いている筋肉です。
きめが細かくやわらかい、肉質の優れた最高の部位に属します。
■かた(うで)
「うで」の部分を総称して「かた」と呼びます。よく運動をする筋肉の集合体で、きめがあらく、肉質は屋やかためです。
ネックと同様にエキス分、ゼラチン質を豊富に持っています。
■リブロース
通常「ロース」と呼ばれる部位で、その断面は見事な霜降り状態となります。
きめが細かく、やわらかい優れた肉質を持っているので、「ヒレ」「サーロイン」と並ぶ価値を持つ最高部位とされています。
■サーロイン
リブロースとランプに挟まれた部位で、きめが細かく軟らかい最高の肉質を持っています。
「サーロインステーキ」として有名な、ステーキに最も適した部位です。
■ヒレ
牛の他の部位と比較して最も運動をしない筋肉なので、一番柔らかい部位となります。
牛一頭から得られる肉量に対して、ヒレの占める割合は3%ほどしかありません。
■ばら
「かたばら」とそれに続く「ともばら」の境目あたりは、繊維質、筋膜が多く、
肉のきめはあらいですが、赤身と脂肪が層になって霜降りになりやすい部位です。大変、濃厚な風味を持っています。
■もも
「うちもも」は牛肉の部位の中でも脂肪が最も少なく、ほとんどが赤身なので、赤身を好む人には最適な部位です。
「しんたま」も脂肪が少ない赤身が中心の部位ですが、肉のきめは細かくやわらかい。
■そともも
もも系の部位では最も運動量が多い筋肉なので、きめはあらく、肉質はややかたい部位です。
■ランプ
「サーロイン」に接続している部位で、ロイン系の最高部位に次ぐ準高級な部位として評価されています。「らんいち」「らむ」とも呼びます。
■すね(まえずね、ともずね)
前足のものを「まえずね」、後足のものを「ともずね」と呼びます。肉質はかたく、腱のおおい部分です。
「ネック」「かた」と同様にエキス分、ゼラチン質を豊富に持っています。
焼き肉店で食べる「ハラミ」と「サガリ」はどのように違うのですか?
いずれも胸と腹を仕切っている横隔膜の筋肉(内臓肉)であり、
「ハラミ」は肋骨側の横隔膜、「サガリ」は胸椎につながる横隔膜です。
ともに、脂質が多いため柔らかく、食感や風味が食肉に似ていることから、焼肉店の人気メニューになっています。
牛の胃袋はいくつあるの?
牛には胃袋が4つあり、第1胃はミノ、第2胃はハチノス、第3胃はセンマイ、第4胃はギアラと呼ばれています。
■ミノ
牛の4つの胃の中で一番大きく肉厚でかたく、繊毛が密生しています。
第一胃のうち特に厚くなった部分は「上ミノ」と呼ばれ、焼肉店などでもおなじみ。
■ハチノス
牛の第二胃のこと。胃の内壁の形が名の通り蜂の巣のようにひだになっていることから、こう呼ばれています。
蜂巣胃ともいい、煮込み料理やモツ焼きなどに利用されています。
■センマイ
千枚のひだがあるような形で、特有の歯触りがあり、脂肪が少なく、鉄を多く含みます。
■ギアラ
牛の第四胃のこと。表面がなめらかで、薄く、大きなひだがあるのが特徴。
アカセンマイとも呼ばれ、煮込み料理などに向いています。